近所の小学一年生のまおちゃんと遊ぶことになった。近くの神社に冒険に行って
みる?と言うと「ぼうけんってなに?」という質問が返ってきて、思わず冒険の
意味をあれこれ考えた。長い石の階段を上って神社が見えると「発見って冒険の
こと?」とすごくうれしそうだった。お参りしたあと、なにをお願いしたのか尋
ねると、「クラスの男の子が誰が好きなんって聞くけん、はずかしいけん、そん
なこと聞きませんようにってお願いした」と言う。あまりの初々しさにわたしが
ドキドキしてしまった。神社の森をぐるりと回って下りるとき、小さな声で「も
う一つお願いしていい?」と聞くので「どうぞ」と一緒にふたつ目の願いごとを
する。さっそく次はなにをお願いしたのか聞いてみると「今晩おおごちそうが食
べれますように」とのことで、またまた驚いてしまった。小学一年生の悩みや願
い事を知ることができ、今日わたしもひとまわり成長したような気がした。今わ
たしが思い悩んでいることや苦に思っていることも、いつか未来の私が見たとき
美しくて小さくてかわいいことに思えたらいいなと思う。帰り道長い石の階段を
数えながら下りることになった。まおちゃんは一生懸命数えるあまり足がもつれ
たり、156の次が163になったりしてかわいかった。199の次が102に
なったときは、さすがのわたしも大人としてここはおさえておくべきだと考え
途中でひと休み。「だったら299の次は?」と聞くと一生懸命考えて「20
3?」というので、また転げ落ちそうになった。その後猛特訓してまおちゃんは
数というものを理解した。はずである。ほんとうにかわいい。まおちゃんと一緒
に冒険できてよかった。