今年の広島の8月6日は雨。
この日に降る雨は43年ぶりだったそうだ。
それでも今年も多くの人が広島に集まった。
初めて見る雨の8月6日の平和記念式典は、 警備員や合唱団が一同に
同じ白い雨合羽を着ていて、奇妙な光景だった。
まるで白いありんこがお葬式に並んで立っているような。。。
まるで死んだ亡霊がぞろぞろ歩いているような。。。
平和公園ではこの日、人々は歌を歌い、フラダンスを踊り、
灯籠を流し、それぞれのやり方で平和を祈る。
そしてフェスティバルのような一日が終わる。
お祭り化していく命日への賛否両論はあるが、これもまた今の
私たちのヒロシマなのだ。
広島の何を撮れば、今の広島が写るのかと、考え始めた瞬間から、
自分が広島について何も知らないことに気づかされる。
死んだ人の写真を手でなぞってみて、その歴史は心の中にある?
もう手で触れないものを、見て感じること?
来年は被爆70年。
そんな今年の8月6日の中国新聞のテレビ番組欄では、隠し文字があること
で話題になった。 縦に読むと、なんと「カープ応援できる平和に感謝」と
読める仕掛けになっていた。
粋なことをする新聞社だなあと、中国新聞のお株があがったのも
間違いないだろう。
そこで、私は言いたい!
はっきりいって、私なんてもっともっと前から
(この地味な)中国新聞に注目していたー!!
なんといっても中国新聞の見どころは、
まずテレビ欄の下にある、占いの欄である。
この占いを読むと、いったい占いってなんだろう。。と、
これまで考えたこともないような疑問を持たざるを得ない。
大きな特徴として、
1、主語や目的語は、主に省略されている。
8月生→ なんのメンバーだろう。。
8月生→ なにがエスカレートしやすいんだろう?
2月生→ なにを入手すればいいんだろう?
8月生→なんの話だろう?
特徴その2、敵ということばが頻繁に出てくる。
特徴その3、
抽象的すぎてさっぱり意味が分からないものから、
あまりに具体的すぎて恐ろしくなるようなものまで、振れ幅が大きい。
その上、「意外に」とか「感じ」とか、「かも」の多用。
10月生 →「「無意味な談笑」?
6月生 → 汗をかいて優位に??
6月生 → 姿を消すことができて??
1月生 → どさくさにまぎれて問題が、(「解決」ではなく)終了。
3月生 → 「一気に男女の関係が」、、、
と、占いの枠を大胆にはみだしている気がする。
数えてみると、たった21文字の枠であるが、その21文字はあまりに
奔放で、あえて表現するなら、まるで「打ち水」のよう。
つまり、柄杓で水をすくって玄関先に「えいっ、えいっ」と投げているよう
な日本語なのである。
毎日これを書く占い師もさぞやご苦労されているのだろう。
たまに苦し紛れな感じが伝わるのだが、それがかえって
機械ではなく、本物の人間が書いていると感じさせる。
まるで知り合いのおばさんと話しているような親近感。
占い師の人物像や気分がなんとなく手に取るようにわかる。
もはやこれは占いではないと、私は思う。
ここで全部紹介できないのが残念だが、
以下、私のコレクションの一部です。
特徴その4、 読者にむけてではなく、ある個人(私か!)に向けてのメッセージのようにも思える
特徴その5、意外に、道徳無視というか。。。
「自分の利益だけ考えた方が」、「下心を持った方がいい」など心強いアドバイス。
この占いを「ばかばかしい」「的外れ」「意味が感じられない」
「まったく当たらない」と怒る人がいてもおかしくないでしょう。
それはごもっともかもしれない。でも私は日本語の奥深さを
考えさせてくれるこの占い欄が、好きだ。
それをきまじめに連載する、度量のある中国新聞が、好きだ。
では、つぎに 中国新聞の、スポーツ面を見てみよう。
この見出しはいったいどんなおじさんが考えているのだろうか、
と想像してしまう。
カープへの愛で、燃えている見出しの数々。
この庶民的な感じが、川辺のアパートに暮らす今の私にたまらなく
フィットするのである。
川にむかう机で、コーヒーを飲みながら中国新聞を広げて、
広島って、あなどれないなー、と思うのであった。
コイお粗末3連敗!!(これはシャレにならない‼︎)
こんな占いダイスキ!
世の中こんなモンさ♪