たしか去年だったか、少子化やら晩婚化やら高齢出産やらを軽減
するための施策として、「女性手帳」が話題にあがったとき、
「大きなお世話だ!むしろ男性手帳をつくるべきだ!!」と、
私がテレビに向かって何気にヤジをとばしたことがきっかけで、
父と大論争になったことがあった。
父だって、女性手帳が交付されれば、娘の結婚も促進されるなどと
は思っていないはずであるが、「晩婚化問題」から、「女性手帳」
「男性手帳」、さらには「人間手帳」にまで話がおよび、
けんけんがくがくやるうち、ついに父は、私にむかって
恐るべきヤジをとばしたのである!
それは最近、都議会で晩婚晩産問題について発言している女性議員
にむかって、男性議員が投げたのとまったく同じヤジであった。
なので、この事件をニュースで見たときには、私にはもう免疫が
できていて、「ばかじゃのう〜」と、薄ら笑うほどの余裕があった。
たしかにその男性議員は、父と同じくらい品がない。
(が、父は他人に言わないだけまだましだと思いたい。)
しかし、私はこのニュースが大事件となって連日流れていることに驚く。
声紋までとって犯人探しが行われようとしていることにも、甚だ驚く。
確かに野次は軽率で侮辱的かもしれないが、マスコミがそんなに騒いで、
ことを大きくすることこそが、デリカシーがないし、オツでない
ことも知るべきだ。
「もういいから、自分の仕事しなさい!」と、興ざめている独身女性は
多いことだろう。犯人探しに注ぐ時間と労力があるなら、もっと大事な案件
に使うべきだ。
結婚はするべきだという考え、さらに結婚しない女性をかわいそうだと
思うその心がいったいどれだけ傲慢か知ってもらいたい。
政治家にもマスコミにも、ヒューマニティと正しいユーモアが必要だ。
最近のニュースを見ながら、国民がよろこぶ政治とは、
なんだろうかと、私なりに考える。
これだけ国民が拳をあげてデモをしたり、反対を示しても、
国民の意見が反映されず、閣議決定で通ってしまうのは、
なぜだろう。不毛だ。
昔、ひとり旅の途中、エストニアからフィンランドへ渡る船の中で出会った
おじさんに、私はご飯をごちそうになった上、いきなりその見知らぬ
おじさんの家に寝泊まりさせてもらうことになった。
その夜、おじさんはお酒を飲みながら政治の話をしはじめた。
その時のエピソードで印象的だったのが、フィンランドでは今でも
森には妖精がいると信じている人が多く、フィンランドの政治も、
森の妖精をぬきに行政ができないという話だった。
あるとき議会で、ある地方の森林を伐採して新しい町を作るという審議
があったときに、議員達はまじめに森の妖精(ピッコロさん??だったか
トロールさん??だったか、という名前の)を引き合いに出し、
やはりピッコロさん(??かトロールさん)の逆鱗に触れると怖いから、
森林を伐採するのをやめようという決議になったことがあり、
国民もそれに大喜びし大賛成だったという。
おじさんは、ばかばかしいだろう?と笑っていたけれど、私はその話を
聞いて、なんだか幸せな気分になったのを覚えている。
おじさんは、「ところで、日本ではビール一本いくら?」と身を乗り
出して聞いてきたかと思うと、「フィンランドの暮らしにくいところ
は、酒がすごく高いことだ」と、さんざん嘆いていた。
でも酒が高いおかげで自分がまだアル中になっていないことも
確かだとも言っていた。
そうやってうなだれるおじさんを見て、もしやこの人が
ピッコロさんなのでは、、、そうだとしてもおかしくないと思って
しまったほど、時空のずれた夜だった。
最近タイムリーに私の目に飛び込み、胸を突き刺してきた言葉を
ここに書き留めておきたい。
一つは、老子である。
“Respond intelligently even to unintelligent treatment” -Lao Tzu-
ーインテリジェントでない施しにさえも、
インテリジェントに応えなさい。ー (老子)
もう一つは、うちの近所のお寺の前に張り出された2枚の教句である。
「お子さんは?一人息子が四人です」
「習ったことはないけれど、
「怒る」「嫉妬」「欲張る」はとても上手なこの私」
暗い夜道で見かけたこの言葉に、深く納得し反省するも、
「お子さんは?一人息子が四人です」の解釈が、あやうい。
ちょっと怖い、なぞなぞのようにも思える。
しかしきっとここに深い教えが隠れているに違いない。
この意味が、分かる人には分かるんでしょうか?
真意を知って、ほっとしたい私である。
パパが違うのかしら?
ママが違うのかしら?
人種?
!?分かった!
人間、犬、猫、鳥・・・
でも「人」とは言わないわねえ~
名前が「四人」とか。
やだ~眠れなぁい><